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債権回収に関する法律知識

債権回収で弁護士が送る内容証明郵便の方法・効果

内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは、郵便局の提供するサービスの1つで、書留郵便の1つの種類です。

その特徴は、「どのような内容の郵便物を送ったのか」ということを、郵便局が証明してくれることにあります。

通常の郵便の場合、郵便物の内容は、差出人が保管している差出書類の写しによって証明するしかありません。しかしながら、訴訟などの法的な争いになった場合、差出人の写しを証拠として提出したとしても、偽造、差し替えなどを行うことが容易であることから、本当にその内容の書類を送付し、相手方に到着したのかについては、写しだけでは証明が不十分であるとされる可能性があります。

内容証明郵便では、差出人は、同様の文書を3つ用意する必要があります。

そのうち1通は郵便局が受理印を押した上で差出人に返送して差出人の控えとなり、1通は相手方に書留郵便の形で送付されます。そして、最後の1通が、郵便局において5年間保管されるのです。

この郵便局に保管される内容証明の文書によって、いざ証明が必要な場合には、郵便局という中立の立場の機関が、送付した文書の内容を証明してくれるのです。ただし、文書の内容が真実であることを証明するわけではありませんので、内容証明に対して相手方が争う姿勢を示す場合には、その決着は訴訟などの法的手続でつける必要があります。

これに加えて、内容証明郵便に配達証明のサービスを追加すれば、「いつ相手方に到着したか」という点についても証明することが可能です。内容証明に必ず配達証明を付けなければならないわけではないですが、訴訟などの法的トラブルのための証拠とすることを検討している場合には、配達証明も追加するのが一般的です。

現在では、オンライン上で内容証明郵便を送付するサービスも存在しており、オンラインサービスを利用する場合には、同じ文書を3通用意するという手間はありません。



弁護士はなぜ債権回収の際に内容証明郵便を送るのか

債権回収が法的な紛争となると、交渉のはじめに、弁護士が、依頼者の主張をまとめて、相手方に内容証明郵便の形で送付するケースが多いです。

では、なぜ弁護士は内容証明郵便を送付するのでしょうか。これには、いくつかの理由があります。



内容証明と配達証明により、どのような内容の文書がいつ届いたかを証明するため

どのような文書をいつ送付したか、明確にしておかなければならないケースがあります。このようなケースでは、後に訴訟による争いとなった場合に、送付先の相手が、「そのような文書の送付は受けていない。」「文書の送付は受けたが、書くべき内容が書かれていなかった。」「そもそも文書の送付がもっと後であった。」などと主張して否定してきた場合に、証拠がなければ敗訴してしまう可能性すらあります。

たとえば、次のようなケースです。

・ 契約解除の意思表示を伝える場合
・ クーリングオフ
・ 消滅時効の中断をする場合

したがって、どのような文書をいつ送付したか、事後的に証明するため、内容証明郵便と配達証明の方法によって送付するのです。



内容証明郵便により、訴訟の証拠とするため

訴訟などによって争う場合、事実の認識、法的な主張が、当事者間によってまったく食い違っているケースが多いといえます。

このような場合に、こちらの事実認識、考えを相手に伝える際、内容証明によって後から明らかに証明できる形にしておくことが有益です。



訴訟までの準備期間を確保するため

債権回収を行う場合には、消滅時効に注意して進めなければなりません。

債権の消滅時効は、一般の民事債権であれば10年、商事債権であれば5年となります。したがって、この消滅時効期間が経過するまでに訴訟を起こさなければなりません。

とはいえ、交渉が長引く場合や、訴訟の準備に時間がかかる場合、弁護士が依頼を受けて即座に訴訟を提起することが妥当ではないとか、困難であるといった場合があります。

このような場合、訴訟ではなく、支払いの督促をすれば、その後6か月は時効が中断するという効果を得ることができます。そして、この時効中断のための催告は、後に消滅時効が争いとなった場合に、催告したという事実を確実に証明できる必要がありますから、内容証明と配達証明の形で行うことが必須です。

この支払の催告をしてから6か月以内に訴訟を提起すれば、回収する債権は時効消滅しないこととなりますから、時間的余裕のない場合や、消滅時効の完成が迫っている場合には、まずは内容証明郵便で支払いの催告を行うのがよいでしょう。



弁護士名義の内容証明によって、債務者に対してプレッシャーを与えるため

弁護士名義での支払いの催告は、非常にプレッシャーが強いといえます。なぜならば、弁護士を依頼しているということは、この内容証明を無視すれば、次は訴訟などの法的手続きによって争うという意思表示を明確化していることを意味するからです。

弁護士名義を使用した上で、「本書面の期限までに支払いを行わない場合には、やむを得ず訴訟などの法的手続を行うことを検討しています。」などと記載し、円満な交渉によって解決に協力しない場合にどのような事態となるかをあらかじめ伝えておきます。

ただし、内容証明はあくまでも任意の交渉をうながすものであり、法的に強制力があるものではありません。また、債務者に対するプレッシャーを重視するがあまりに、脅迫的な言葉を使用することは、仮に債権が認められるとしても恐喝罪などの犯罪に該当する可能性もあり得るため、おすすめできません。

内容証明郵便がかえって相手方の態度を硬化する原因となっては意味がありません。
弁護士は、内容証明郵便を送る際、その事案に合わせて、適切な文言、記載内容を選択し、トラブルを解決しやすいような戦略を練っています。

したがって、内容証明を送るのであれば、本人が行うより、弁護士に依頼する方が効果が高いといえます。

債権回収可能な財産を確保しておく、効果的な仮差押えの方法

仮差押えとは?仮差押えの意義

仮差押えとは、裁判所の判決などを獲得できた場合に備えて、債務者の財産を保全しておくために行う手続です。

というのも、訴訟を行った勝訴し、強制的に債権を回収できることとなったとしても、その時点で、債務者が財産を隠してしまっていたり、他の第三者に譲渡してしまっていたりして、財産が全く存在しない状態であると、強制執行が功を奏しないためです。

強制執行を行うためには、債務者の財産をある程度把握し、特定していなければならず、その手間は債権者が行わなければならないのです。

したがって、債務者が財産を隠匿したり、逃亡したりする可能性がある場合で、現在は財産を有しているといった場合には、仮差押えの手続きを行っておくべきでしょう。



仮差押えを有効に利用するケース1 ~売掛金の仮差押え

債務者が、あなたへの債権の支払いを怠っているにもかかわらず、今もなお自分の事業を継続していて、定期的に取引先に対して自社の製品を供給しているという場合があります。

債権回収のご依頼の中には「払うことができないから支払わない。」という債務者はあまり多くなく、ほとんどの場合が「払いたくないから支払わない。」、もしくは、「他に優先して支払う先がある。」というケースが多いものです。したがって、いかに、あなたの会社への支払いの動機、優先度を上げるかが重要であり、そのためには、他に取引先との取引が継続しているのであれば、そこから債権回収を図ることが効果的です。

このような場合には、他の取引先に対して、債務者が売掛金を有していることがあります。

売掛金を回収すれば、債務者に現金が入るわけですが、回収するまで待っていては、回収した売掛金を、その後すぐに他の債権者に対する支払いにあててしまい、あなたの会社の支払いのためのお金は残っていないという状態になるおそれがあります。

この事態を回避するため、まだ未回収の売掛金の段階で、この売掛金債権に対して仮差押えの手続きを行うことが有効です。

売掛金債権に対して仮差押えを行うと、第三債務者(売掛金の債務者)は、売掛金を債務者(売掛金の債権者)に対して支払うことを禁止され、売掛金債権は保全され、債務者には現金が入ってこないようになります。

この状態のまま、債務者に対して訴訟を行い、判決を得て、最終的には、強制執行によって、売掛金からの債権回収を図るのです。

また、継続的に円滑な取引関係を継続している第三債務者に対して、仮差押えの通知がいくこととなるので、債務者の他の事業者に対する信頼は急落することになります。このことから、これ以上の仮差押え、強制執行などを避けるため、債務者が和解によって支払いを行うきっかけとなるケースも多いといえます。



仮差押えを有効に利用するケース2 ~不動産の仮差押え

債務者が不動産を持っている場合、最も仮差押えの効力が発揮できるケースであるといえます。

不動産を有しているのであれば、不動産を売却すれば、債務の支払いを行うことができるのでしょうが、会社の所有している不動産は、事業用に利用されていることがほとんどですから、その不動産を手放してしまえば、今後の事業継続に支障が生じます。

したがって、不動産に対して仮差押えをし、今後の売却に向けて訴訟手続きを進めることによって、和解による早期の支払いを期待できるといえます。



債務者に知られる前に、こっそりと、スピーディに!

仮差押えは、債務者に動きを察知される前に行わなければなりません。

というのも、仮差押えは、債務者が財産を隠匿、散逸させる可能性がある場合に、これを未然に防止するために行うものです。不用意な仮差押えが債務者に知られてしまうと、まだ探索しきれていなかった他の財産を隠されてしまい、結果的に債権回収が仮差押えをする以前よりも困難となってしまうおそれもあります。

したがって、仮差押えをする前に、仮差押えをする対象、仮差押えをする時期、仮差押えをする順序を慎重に検討しなければなりません。

一方で、仮差押えは、スピーディに行わなければなりません。

仮差押え対象によっては、売掛金債権など、一定の時期には回収されて対象がなくなってしまう対象に対する仮差押えを行う場合もあります。

このような場合、早く仮差押えを行わなければ、仮差押えの対象自体が消滅してしまうわけですから、一刻を争うものです。

仮差押えの手続きは、非常に面倒かつ複雑ですので、書類、証拠の準備などは、弁護士にご依頼いただくことがよいでしょう。

債権回収で回収可能な4つの強制執行の方法

債権回収における強制執行

債権回収をする場合、その方法には、任意の話し合いをする方法から訴訟をする方法まで様々な方法があります。

しかしながら、いずれの方法であっても、最終的に債権が回収可能かどうかは、債権を回収する相手が、回収できるだけの財産を有しているかどうかが重要となってきます。

財産が全くない相手から債権を回収することは非常に困難ですので、どのような財産があれば強制執行が可能であるのかを、債権回収をご依頼頂く前にチェックして頂く必要があります。



不動産強制競売

まず、最も回収しやすい財産が、不動産です。財産調査の結果、債権回収の相手が不動産を所有していることがわかった場合、不動産の強制競売を行うことによって、債権を強制的に回収することが可能となります。

ただし、不動産に他の抵当権がついていないかどうか、不動産の余剰価値がどの程度か、住宅ローンが返済されているか、第三者に所有権を移転されるおそれがないかといった点に注意して進めましょう。



給与差押え

次に、給与の差押えが考えられます。

債権回収の相手方となる者が個人であって、会社に雇用されている場合には、日々の生活を立ち行かせるために、労働をし、給与を得ている場合があります。

このような場合には、給与を差し押さえることによって、債権を強制的に回収することが可能となります。

特に、債権回収の相手方が、比較的大手の企業に勤めているなど、長期にわたって継続的に給与を得られる可能性が高い場合には、非常に有効に債権を回収できます。

給与差押えによって債権を回収する場合、通常は、一度に債権の全額を回収できる場合は少なく、数度の給与の支払を受けることによって回収を実現することがほとんどですから、その給与の支払がいつまで続くかに十分注意しましょう。

また、このような継続的な給与差押えを続ける場合、その他に実は財産があったという場合には、債務者の態度を硬化させ、財産隠しなどのきっかけともなりますので、一括で債権を回収できる財産がないかどうか、給与差押えを行う前に慎重にチェックした方がよいでしょう。



動産執行

次に、動産執行を検討します。

例えば、債権回収の相手方が、金銭を、預金などではなく現金で貯めこんでいたり、高価な品物に変えて所有していたりする場合に、大きな効果を発揮します。

生活必需品として一部の物品の差押えを行うことはできないものの、家や会社の中に入って動産を売却して強制的に債権を回収することができるので、和解によって円満に支払を得られるチャンスともなります。

「自宅に執行官が入ってくる」ということ自体に、相当なプレッシャーがありますので、このことが交渉において有利な展開を生むことも多いといえます。



電話加入権等執行

電話加入権を差し押さえることが可能であり、これは、債権回収の相手方が法人などの事業を営む者である場合には、和解のきっかけとなるなど、一定の良い効果を生むケースがあります。

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