浅野総合法律事務所:お問い合わせ

残業代を労働審判で請求したが、その後訴訟で満額回収に至ったケース

退職後に残業代の未払い分が発覚

相談者のAさんは、ベンチャー企業に勤めて2年、次の仕事へのキャリアアップのために退職したばかりでした。

会社ではシステムエンジニアとして働いていましたが、ベンチャー企業であったため、昼夜を問わず必死に働き、やっと会社の事業を軌道に乗せたところでした。

会社で働いていたときは必死であったため、お金のことは無頓着でしたが、その後、会社は、Aさんの軌道に乗せた事業が大当たりし、上場の準備を進めているということでした。

Aさんとしては、労働法に従って計算すれば、明らかに未払いの残業代が多く発生すると考えたことから、納得がいかず当事務所へ相談することとなりました。

未払い残業代が発生することは明らか。証拠は?

Aさんのご相談内容を聞いた時点で、未払いの残業代が発生することは明らかでした。

Aさんの勤めていた会社はベンチャー企業であり、リーガルリスクをおろそかにしていたことから、契約書や就業規則なども全く存在せず、残業代を支払わなくてよい理由は全く見当たりませんでした。

しかしながら、労働時間の管理も、会社は全く行っておらず、タイムカードなども存在しなかったことから、労働時間を立証する証拠を収集、検討しなければなりません。

幸い、Aさんはシステムエンジニアでありパソコンに詳しく、会社パソコンのログイン、ログアウトの履歴を、退職時にすべて保存していました。

Aさんのように、常に会社でのオフィスワークであり、パソコンを使用した業務ばかりである場合には、パソコンの履歴が実労働時間を示す有力な証拠となるケースがあります。

任意交渉、労働審判では決着がつかず

さっそく、Aさんから預かったパソコンの履歴をもとに、当事務所で未払いの残業代を計算し、内容証明で会社に請求しました。

しかしながら、会社は任意の交渉に全く応じてこず、労働審判での話し合いも非常にざっくりとした雑なもので、Aさんの満足のいくものではありませんでした。

労働審判は、早期解決というメリットがある反面、期日が原則として3回しか行われず、しかも、事実認定は最初の1回で行われることがほとんどである上、和解による譲歩を前提としている制度です。

そのため、残業代の請求など、証拠が多くなり、しかも、細かくすべてを見て認定を行ってほしい場合には、必ずしも労働審判のみで決着がつくとは限りません。

訴訟により、労働時間を認定し、勝訴

労働審判での労働審判委員の出した和解案は、会社側が譲歩できる額に寄せて和解をまとめようとする円満なものであり、残業代がすでに働いた分の賃金の未払いであることを考えれば、到底納得のいく金額ではありませんでした。

そのため、審判に対して異議申立をし、訴訟に移行しました。

訴訟では、労働審判とは異なり、証拠の量や期日の回数に制限はありませんから、実労働時間を、証拠に基づいて丁寧に認定していくこととなります。

数度の調整の結果、おおむねパソコンの履歴を前提とするこちらの計算に即した実労働時間を認めるとの心証をもらい、満額に近い額での和解が成立しました。

Pocket

お問い合わせContact

お問合わせフォームにご相談内容をご記入の上,お申込みください。
後日,弁護士よりご連絡差し上げます。
※ご入力いただいた個人情報は,お問合せに対応する目的の範囲内でのみ利用いたします。
※電話,メール,お問合せフォームによる相談は受け付けておりませんので,ご了承ください。

相談者氏名(必須)
フリガナ(必須)
電話番号(必須)
住所
ご希望の連絡手段
ご希望の連絡時間
お問合せ内容